私自身、子供の頃から今までに10頭の子(犬)と暮らしてきました♪
鳥取県鳥取市で2007年より15年、ドッグラン、トリミング、ペットホテル、しつけ教室、グッズ販売を手掛けており、たくさんのかわいいワンちゃんに出会い触れ合うことができました。
その中で飼い主様からいただいた『疑問』や『相談』をもとに、このブログを読んでくれている皆様に役立ててもらえることのできる情報をお届けできればと思います!
今回のブログはワンちゃんに使う『シャンプーの種類』について
犬に人間用シャンプーを使うのはいいのか、そして私たちが実際にトリミングで使ったこともある犬の肌の状態に合わせたおすすめのシャンプー、リンスの重要性をお送りしますよ〜!
犬を洗うのには人間用ではなく犬用シャンプーを
一昔前(といってもだいぶん前かな)まで、『犬は人間用のシャンプーを薄めて使えばいい』という意見をよく聞いていたように思いますが、みなさんは昔飼っていた子をちゃんと犬用のシャンプーで洗っていましたか?
今でもうちのお客様で人間用のシャンプーでゴシゴシ洗われている方もおられて、そういう方には「ちゃんと犬用を使った方がいいですよ。」とお伝えするのですが、なぜ犬用がいいのか皆さんはご存知でしょうか?
犬の肌と人の肌のpHバランスの違い
よく人間用シャンプーやボディーソープなどで「弱酸性でお肌に優しい!」と謳っている商品がありますがこの理由をご存知ですか?
人間の肌はpHバランスが4.0〜6.0の弱酸性といわれていて、犬の肌はpH6.0〜8.0と言われています。
pH7.0が中性なので人間の肌は酸性、犬はアルカリ性となります。
このpHバランスをみて
と思われた方も多いはず!
でもよく考えてください。
人間用のシャンプーも弱酸性のものからアルカリ性のものまで様々あります。
犬用も同じく弱酸性のものとアルカリ性のものがあるんですね。
pHバランスだけ考えると「犬用シャンプーに弱酸性があるなら人間用を使ってもいいじゃない」となるんですが、そういうわけではないんです。
アルカリ性のpHが高いシャンプーほど洗浄成分は強く皮膚や被毛にダメージ大
私たちが犬を洗っているシャンプーですが、そもそもは人間の髪を洗うためにつくられたもので、シャンプーの目的は毛や皮膚を清潔にし弱酸性を残しながら皮膚が乾燥するのを防ぐことで、その弱酸性がシャンプーに含まれた苛性ソーダ(水酸ナトリウム=アルカリ)を中和する役割があると言われています。
犬のシャンプーも『毛や皮膚を清潔にする』という目的は一緒ですが、人間と違い犬には全身に毛があり(ない犬種もいますが)、その毛にもシングルコート(プードルなど)、ダブルコート(柴犬やボーダーコリーなど換毛する犬種)があり、密集した毛は風通しも悪く、皮膚の新陳代謝もスムーズにできません。
犬の肌は弱アルカリ性ですが、被毛は弱酸性(pH5ほど)に保たれているときが最高に引き締まって傷つきにくく、被毛は最高の艶を出します。
これを壊してしまうが洗浄成分の強いアルカリ性のシャンプーで、このpH値が高ければ高いほど洗浄成分が強くなる反面、皮膚や被毛がダメージを受けます。
ずっとシャンプーをしていなくて汚れがひどく、脂もこびり付いたりしている場合はやむなくこのアルカリ性の強いシャンプーを使って汚れを落とさなくてはいけなくなるのですが、洗浄成分が強いのでなるべくならそうならないよう、皮膚と被毛に優しいシャンプーで定期的にキレイにする必要があります。
犬の肌は人間より薄くて敏感
以前、シャンプーの頻度の記事にもかかせていただいたのですが
犬の肌は人間より1/3ほど薄いと言われていて、外部刺激に敏感なのです。
ですので、pHバランスがアルカリ性であろうが酸性であるいぜんに、人の肌に合わせて作られたシャンプーより、犬の肌に合わせて作られた洗浄成分のシャンプーで洗う方がいいと言えます。
犬用であろうと人用であろうと、強すぎる洗浄成分のシャンプーで洗うと皮膚と被毛はダメージを受けます。
犬の肌の状態に合わせたシャンプー選び
犬用シャンプーには肌のタイプに合わせたシャンプーや用途に合わせたシャンプー
様々な種類のシャンプーがあるのをご存じですか?
例えば
●肌荒れもない普通肌に使うシャンプー
●普通シャンプーでも刺激が気になる敏感肌の子に低刺激シャンプー
●お肌トラブルのある子に使う薬用シャンプー
●毛質に合わせて作られているシャンプー
●汚れのひどい子用のクレンジングシャンプー
●ノミ取りシャンプー 等
うちは基本が私たちがこだわって作ったオリジナルシャンプーであとは用途に合わせて6種類のシャンプー、トリートメントを使っているよ♪
すごいね!
その中から皆さんがおうちで使いやすいおすすめのシャンプーを紹介していこうと思います♡
普通肌用
こちらのプロフェムシリーズは、オリジナルシャンプーを作る前にベースとして使っていたシャンプーで仕上がりももちろんいいのですが、お肌が乾燥しやすい子たちでもカイカイにならずに使うことができていました!
・弱酸性処方 pH5前後
・ノンオイル処方で泡切れもよく乾きも早い
・目や傷口に入っても痛みを減らすよう刺激低減成分を配合
赤いパッケージのSPAタイプはこちらはうちのトリミングの泥パックコースで使用しているシャンプーです!
以前、ドッグショーに出陣する際に、うちの子たちを洗っていたのがこのシャンプーシリーズ
直毛の子は仕上がりのサラサラピカピカ具合に驚くと思いますよ!
香りもいいとお客様に好評なのがこちらのシャンプーです♪
おうちで使うには緑の全犬種タイプで十分です♪
●SPAシリーズ
子犬用シャンプーとして併用できるほどの極めて低刺激な洗浄成分(被毛と同じタンパク質)で構成されている
泥成分が、毛穴に詰まった老廃物や汚れをしっかりと吸着することにより、地肌を清浄化し、しなやかでサラサラの被毛に洗い上げる『プロ専用シャンプー』です。
●MUDシリーズ
世界で最も刺激性が少ないといわれるサトウキビやタピオカから抽出した植物性アミノ酸系シャンプー基材を使用
泥成分配合で『ホームケア』として使いやすい超低刺激性シャンプー
敏感肌用
こちらも以前トリミングでお肌の敏感な子ように使っていたシャンプーです!
無香料無着色で低刺激にこだわって作られていて、洗い心地も柔らかい密度のある泡でとても洗いやすかったですよ!
・無香料、無着色、弱酸性(pH5前後)処方
・超敏感肌用に開発された超低刺激シャンプー
泡で出てくるタイプなので、皮膚をこすることなく濡らしたお肌にそのまま使えます。
動物医療品質のシャンプーです。
・アミノ酸系洗浄成分
・エタノール、パラペン、合成香料不使用
薬用シャンプー
ブドウ球菌等の「細菌」に優れた有効性を示す殺菌成分『クロルヘキシジン酢酸塩』配合の殺菌、消臭に優れたシャンプーで、病院でも扱われるほど有名な薬用シャンプーです。
クロルヘキシジン酢酸塩は皮膚や器具の消毒等m、医療の分野でも安全性の高い消毒成分として使われていて、高濃度で利用すると真菌にも有効性を発揮することが知られています。
・皮膚や被毛に優しい低刺激タイプ
・殺菌、消毒、消臭に優れている
・コンディショナー入り
こちらはノルバサンシャンプーと同じ『クロルヘキシジン酢酸塩』を使用した殺菌、消毒もできるシャンプーで上のノルバサンシャンプーよりお手頃価格です。
リンスインなのでほぼ似たようなシャンプーなんですけど、洗い心地はこちらのシャンプーの方がバリッとした感じで潤いが少ないかな〜?と私的には感じます。
・殺菌、消毒、消臭に優れている
・コンディショナー入り
お家ではクレンジングシャンプーをつかってもなかなか汚れが落ち切らないことがあるからプロに任せるのが一番だと思うよ。
洗浄成分が強いから目に入ると大変だしね。
ノミ取りシャンプーは実際、ノミが死んでないことがあるからおすすめできないな〜
動物病院で駆除薬をもらって、体についたノミダニが駆除できてから普通のシャンプーで洗うのがおすすめだよ。
みなさんが使ってみたいシャンプーで「うちの子にこんなのどうかな?」とか質問があったらご来店の時にでも聞いてくださいね♪
↓お店には♪
リンス、コンディショナー、トリートメントの必要性
お客様とおうちでのシャンプーの話をしていてびっくりするのが、あまりにもシャンプー後のリンス等を使われないという点。
自分たちの髪の毛にはリンスやトリートメントをするけど、犬にはしないという方がとっても多いです。
逆に言えばちゃんとリンス等をしている方のほうが本当にめずらしいくらいです。
「犬にリンスとかしたことない!したほうがいいの?」とよく聞かれますので、なぜリンスが必要なのかをお話ししたいと思います♪
まず、リンス、コンディショナー、トリートメントの違い
・リンス・・・毛の表面を整え滑りやまとまりをよくして、絡み防止になる
・コンディショナー・・・基本的にはリンスと一緒の働きで、ダメージを受けた被毛をの健康を取り戻すために使われる
・トリートメント・・・基本的にはリンスと一緒の働きで、ダメージを受けた被毛をの健康を取り戻すために使われる。
トリートメントの大半は油性成分の多いものが多い。
リンス(コンディショナー)の目的と必要性
目的の一つとしては、シャンプーによって毛が受けたアルカリ性の弊害を元に戻してやることと言われています。
犬用リンスはほとんどが弱酸性であるといわれていて、前述したように犬のシャンプーにも弱酸性、アルカリ性があり、汚れ落ちがいいものほどアルカリ性のシャンプーであることが多いのですが、シャンプーでアルカリ性のままの状態でいると、キューティクルの開いた毛はかなりのダメージを受けます。
それをリンスで中和し、表面を整えることで『もつれ』を防ぐこともできるし、長毛種であれば『毛切れ』を防ぐこともできます。
そして、リンスをすることで静電気を抑え被毛の表面を保護する耐電防止効果が得られます。
このリンス、コンディショナー、トリートメントをするというちょっとしたひと手間で、もつれや保湿ができてワンちゃんの負担が減りますよ。
そして何より、仕上がりの違いはシャンプーだけの状態とは一目瞭然です!
弱酸性のシャンプーで洗っている場合も、リンスをすることでさらにもつれや静電気防止になりますので仕上げにしてあげましょう♪
【おまけ】リンスインシャンプーて実際どうなの?
犬のシャンプーには『リンスIN』、『コンディショナー成分配合』というものがあります。
でも実際私たちがつかってみて感じるのは、そこまでのリンス効果を感じないものが多い。
ですのでシャンプー、リンス、コンディショナーと別々に使い、さらに用途に分けて使うことでシャンプー、リンスそれぞれが最高の効果を発揮させると思います。
前述した薬用シャンプーもコンディショナー配合となっていますが、どうしても別々にシャンプー、リンスをするものより毛の質感や保湿力が低いように感じます。
ですので、私たちがトリミングで薬用シャンプーをする場合は仕上げにコンディショナーを別でするか、弱酸性である炭酸泉をすることをお勧めしています。
できればリンスインではなく、別々でそろえる。
薬用シャンプーであれば仕上げに低刺激の無香料リンス・コンディショナーで仕上げるなどしてもらえるといいかなと思います!
photo & writing : Noriko Ota
dog model : Ruala(Saluki)、Okaka(Pagu)、Urara(Miniature dachshund)